木材の乾燥について

木材の人工乾燥について

木材を乾燥して使用することの重要性がとみに言われるようになりましたが乾燥材の定義があいまいで、人工乾燥を施した物全てを乾燥材(KD材)と言われているのが現状です。(株)アクロスでは下記のように乾燥材を定義します。

●特殊乾燥材
木材を特別な利用目的の為に乾燥してある物。
高周波真空乾燥、防蟻を目的とした燻煙処理等。

●人工乾燥材 A
天日乾燥の後、人工乾燥にて含水率7パーセント以下まで乾燥しイコーライジング、コンディショニングが行われているもの。
的確な乾燥が行われ使用後の変形、収縮、膨張を極力少なくしてあるもの。 
家具、集成材、高級フローリング等。
注)乾燥は充分行われていても乾燥応力除去、調湿が適切に行われていないと変形膨張が起こりクレームの原因となる。

●人工乾燥材 B
-内装材-
人工乾燥は行ってあるが含水率20パーセント以下(D-20)、15パーセント以下(D-15)など乾燥が不充分なため、床、壁に用いた場合、収縮が著しく施工面に大きな隙間、反り、節の脱落等クレームの原因となる。
-構造材-
断面積が大きく乾燥が困難なため、(D‐20)、(D-15)のものを現在使用していますが、使用目的を構造材に限定するのであれば概ねクレームは少ないようです。ただし高気密住宅であれば(D‐15)以下が安心かと思われます。

●天日乾燥
屋外にて乾燥を行ったもの、乾燥日数を十分に取ればある程度乾燥できます。
樹種、断面積の大きさ、乾燥環境(季節、風量、桟積み方法)によりますが概ね90日以上日数を要します。日本の平均湿度(約75パーセント)から約15パーセントの乾燥仕上がりとなります。
注) 構造材、外部使用部材であれば概ねクレームは少ないが、内装床、壁に用いた場合、収縮が著しく施工面に大きな隙間、反り、節の脱落等クレームが発生します。

●天然自然乾燥
屋内にて割れ、変形が起こらないように、急激な乾燥をしないような方法で保管し、長年に渡り自然乾燥してあるもの超高級銘木等(倉庫内にて、10年以上)の乾燥方法。
乾燥期間が長ければ長いほど寸法変化が小さくなります。
乾燥材と言っても上記以外に色々な乾燥方法があります。
また、乾燥の仕上り具合も多種多用です。
木材の含水率を確認するために木材水分計をもちいますが現在市販されている水分計も各メーカーによりバラツキがあるのが現状です。
乾燥材を使用するときどのような乾燥処理が行われているのか納入業者、メーカーに確認することをお薦めします。

『日本の気候風土と平衡含水率について』
日本は温帯気候に属し、また海洋性気候です。 日本全国の年間平均湿度は約75パーセント前後で平衡含水率にして約15%位です。
平衡含水率表参照
昔、住宅は気密化されずまた冷暖房設備も用いなかったので、内装部材は概ね含水率13パーセント位で大きなクレームは発生しなかったと思いますが、最近の住宅は気密化されかつ冷暖房設備を用いるため、室内湿度は30パーセント〜60パーセント(含水率換算6パーセント〜11パーセント)の状況から人工乾燥の重要性が高まってきました。

『部材ごとの乾燥について』
-構造材-
日本の気候から含水率15パーセント(D‐15)以下が望ましいと考えられます。
現在構造材は、含水率20パーセント以下(D‐20)がほとんどですが、使用環境湿度が湿度70パーセント位の状態が長期間(約3ヶ月間)有し、なだらかな乾燥進行であれば概ね大きな問題となることは少ないと考えられますが、使用環境湿度が急激に低くなった場合、割れ、反りが発生することがあります。

-内装材-
住宅環境湿度にもよりますが、含水率7パーセント以下まで乾燥し調湿の後含水率8〜10パーセント前後で使用するのが望ましいと考えますが、使用環境湿度に配慮し施工に注意を要します。

『木材の上手な使い方』
昔の大工さんであれば、樹種、材質、幹の形状、樹齢、年輪の状態、辺材、心材柾目、板目など一本一本異なる木の性質を理解し、その木をどのように利用したら良いか考慮して、適切な木組みの仕方、用い方、用い場所を熟知していました。
近年は、プレカット工場にて生産されるようになったこと、また生産性を重視するようになったことなどから、通直で寸法通りのものを求められるようになりました。 木材を人工乾燥することは、元来その木の持っている癖(変形、ネジレ、反り)を起こさせてしまうことにほかなりません。 適切に乾燥された木材は、癖を取り除いた木材といえます。

 


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